フロスティについて

2008年12月撮影
2022年10月7日撮影

ニューヨークのブルックリンで雪がちらつく寒い12月の夜、フロスティは私が道で出会った野良猫だ。「おいで」と声をかけたらポンっと膝の上にのってきた。車のボンネットの中に住んでいるのか、毛は少し汚れており、なんだかガソリンの匂いがした。お腹がすいているらしく、ニャーニャー何かを訴えかけてくる。こんなことはめったにない、と思った私はとりあえず家に連れて帰ろうと、その時着ていたダウンジャケットのチャックをあけてその野良猫をふところに入れ、逃げないようしっかりと抱っこして連れてかえってきたのだ。

雪と「霜降り」のような毛色にちなんで「Frosti(フロスティ)」と名付けた。

その4年後にフロスティはアメリカから北海道へやってきた。

2022年8月末ごろからフロスティの食欲が落ち、ほとんど食べなくなってしまった。排尿、排泄もほとんどしなくなり、久しぶりにしたおしっこの色が濃い黄色になっていた。ネットで調べてみると「黄疸」などの症状が当てはまり、すぐに病院に連れて行った。検査をしてもらったところ、やはり黄疸の症状が出ており、肝臓の数値が悪くなっているとのこと。その後1週間通院し、点滴と注射をしてもらった。通院の後は薬を処方されたが、フロスティが私からの投薬をうけつけたのはたった2日ほど。その後はとにかく嫌がり、口にから唾液をだらだら吐いて拒否した。その頃には食欲も回復し、みるみるうちに元気になっていったので、投薬はやめることにした。

しかしその数日後、また尿の色が濃い黄色に逆戻りしてしまい、食欲ががっくりと落ちた。それから毎日ほんの少しのアップとゆるやかなダウンを続けている。残りの猫生を少しでも穏やかに、幸せにストレスなく過ごしてほしいと思い、病院へは行かずに自宅で様子を見ることに決めた。そしてその様子について可能な限り記録をつけることにした。